天体現象好きな私である。
高校時代は、天文部の部長だった私である。
日食だの月食だのに目がない。
おとといは、関東で久しぶりの皆既月食だった。
月食と聞いただけで、夕方には、気が気でなくなる。
「どこで見るべきか?」
観測地点を模索し始める。
「公園の駐車場?」
「あそこのスーパーの屋上?」
仕事を終え、自宅に戻り、手ぐすね引いて、虎視眈々と、
宇宙現象を、今か今かと待っている。
待っているのだが、そのうち、空が曇りだした。
「なんやと!」
こればかりは、いかんともしがたい。
「なんちゅうこった!」
怒りは、空に向かう。
大切な一瞬を奪いやがった天空を睨む。
天空と呼ばれた天空くん、すなわち雲も、
宇宙現象の一端を担っている筈なのだが、
なぜか私に罵倒される。
理由は・・
目の前にいるからだ。
遥か遠い宇宙現象には、寛容なくせに、
雲が湧くという、身近な天体現象には、コブシを挙げている。
人間とは、
いかにも自分主体の考え方に染まっている動物だとわかる。
申し訳ない、又、
私個人の問題を、人類の問題へと格上げしてしまった。
今何時?
7時ぃ~?
「もおおおお~~ 寝てやるぅぅぅ!」