バイマーヤンジンコンサートは、面白い。
歌もさることならば、話が面白い。
日本語はかなり堪能なのだが、
なんたって大阪弁である。
大阪に20年も住んでいるのだから、
ペラペラだ。
元々、持っているウイットに富んだ思考が、
大阪弁で磨かれたらしい。
彼女が喋りだすと、話が長くなる。
コンサートなのに、語っている方が長かったりする。
しかし、客は喜んでいる。
なにしろ、笑いが渦巻く。
さらには、いい話では、涙があふれてくる。
家族の話になってくると、涙腺がゆるみっぱなしになる。
本人は、話術を使っているつもりはないのだろうが、
見事な言葉使いと云っていい。
常に、真面目にお話をしている姿に、客は共感する。
バイマーヤンジンの人となりを一言で表せば、
≪正直≫である。
ところで、バイマーヤンジンという名前は何だろう?
チベットには、姓が無い。
名前だけである。
だから、バイマーヤンジンとは、名前だ。
私で云えば、謙二郎にあたる。
我々は、バイマーヤンジンと呼ぶのが、長すぎるので、
「ヤンジンさん」と呼んでいる。
すると、私の例で云えば、「郎さん」と呼ばれているに等しい。
そして、バイマーヤンジンの意味を日本語に訳すと・・
≪
蓮の花の上の音楽の女神≫
なんとも美しく夢のある名前ではないか!
私も、海外に行った折、名前の意味を尋ねられる機会がある。
「謙二郎・・・
謙虚な二番目の男です」
非常に残念である。
影富士