「コレって、縦笛ですか?」
『横笛です』
横笛と仰りながら、笛を見せてくれたのは、
バイマーヤンジンコンサートで、笛の演奏をしていた、
劉(りゅう)さんだ。
横も縦も、たくさんの笛を持ち込み、
見事な音色を奏でてくれる。
その笛を見せて貰った。
竹で作られた笛の一つの穴が、何かの膜で塞がれている。
聞けば、河原に生えている葦の薄皮を剥いで、
穴に貼り付けているのだそうだ。
そうすることで、皮が振動し、独特の音色が出る。
「この皮、売ってるんですか?」
『いえ、自分で採りに行きます』
「河原に?」
『はい、河原に』
「怪しい人ですよネ」
『かなり怪しいです』
笛とは、どこまで小さくなれるのか?
素朴な疑問をなげかけると・・・
ちょうど今、持っているという、物体を見せてくれた。
(冒頭写真)
4センチの長さの竹の真ん中に、穴をあけただけのモノだ。
竹の両側を親指でふさぎ、真ん中の穴に、劉さんが息を吹き込む。
するとだ・・
見事な音色と音量が響きわたったのである。
しかも、「♪~ウサギ追いしかの山~♪」
≪ふるさと≫の名曲を演奏してくれたのである。
拍手拍手!
名人、竹を選ばず
そこで、私がお返しの技をお見せしたのだ。
口笛ならぬ、
≪口トロンボーン≫
口を小さくすぼめ、息を吐き出す。
一見、口笛に似ているが、音色が全く違う。
楽器のトロンボーンに似た音色が出る。
聞いてくれた劉さんが、思わず拍手してくれた。
笛の名人奏者に、褒められたのだから悪い気がしない。
実は、この口トロンボーン・・
小学生の頃、なんとなくやっているうちに出来てしまい。
それ以来、こっそり吹いて楽しんでいる。
人前でやるのが恥ずかしく、滅多に披露しないのだが、
笛を操る人の前で、演奏出来て、鼻高々だ。
しかも、劉さんもチャレンジしてみたが、出来なかった。
どうだ!
何が、
どうだなんだろう?