このダイダイ色に紅葉しているのは、柿である。
山の中にポツンと一本立っていた。
そういえば、山の中で柿の木を見たことがない。
桜や山リンゴはあるが、柿はない。
そうか!
柿とは、飼いならされた猫と同じなのだ。
人間の里で、育てられたモノしか、我々は見ていない。
自然界には、存在しない木かもしれない。
あるとすれば・・
ペッ・・・である。
誰かが、柿を山中に持ち込み、食し、
種を、ペッとやったのだ。
その種が、運よく芽を出し、ここまで育った。
よほど土と日差しの環境が良かったのだろう。
鳥が種を運ぶと言われるが、
柿の種は、大きすぎて飲み込むのはどうか?
おそらく、人間の、ペッが正解だと思える。
植物の混ざり方に、人間も関わっている。
都会の街中で、ペッっとやるのは、問題だ。
種ならまだしも、特に問題なのは、ガムである。
街中や駅に行くと、ペッの跡が無数にある。
一つ二つのペッではない。
ペッペ、ペッペだ。
どうしても、包み紙に包むのが嫌いな方がいるらしい。
ペッペを生きがいとしている方がいるらしい。
ならば、その方達を大勢集めて、
山の中で柿を食わせてやりたい。
桃を食わせてやりたい。
スイカを、メロンを、ブドウを、食わせてやりたい!
まるで、CDのようなクモの巣