
炭酸が苦手だ。
ブクブク泡が出る飲みモノが、苦手である。
コーラ、サイダー、ラムネ、
飲めばおいしいのだが、飲んでいる嚥下の最中が問題だ。
喉が炭酸を拒絶しようとするのだ。
口中までは、なんとか許せる。
ところが、喉を通ろうとした途端、もうゲップが起き始める。
それでも飲もうとすると、
炭酸が私を溺れさせようとする。
泡ブクを、肺の方向に誘導しようとする。
オゲッ!
ハアハアハア
海に潜って水を飲んだ訳でもないのに、むせている。
だから、このアルコール飲みモノも辛い。
《ハイボール》
ウイスキーを炭酸で割ったモノだ。
おしゃれな名前に誘われ、バーカウンターで頼んだものだった。
ところが、たった一杯のハイボールを呑んだだけで、
ベロベロに酔いつぶれてしまったのである。
普段水割りだと、10杯を下らない私が、
炭酸割りだと、1杯で、音をあげた。
炭酸に身体が対応していない事実が浮かぶ。
どういう事だろう?
大分県の竹田市郊外に、ラムネ温泉なるものがある。
炭酸泉が吹きだし、浸かっていると、
皮膚に大量の泡がまとわりつく。
これは気持ちいい。
小学校の頃、この温泉の周りの炭酸の井戸に遊びに行った。
水筒に炭酸水を満杯に入れ、フタをして地面に置く。
すると、そのうち、水筒内の気圧があがり、
やがて、ポ~~~ン!とフタを空中高く吹きあげるのだ。
その高さを、子供たちは競った。
この炭酸温泉に浸かるのは気持が良いのだが、
「どうぞお飲み下さい」
柄杓を置いてあっても、飲む気になれない。
人前で吐き出すのがオチだ。
ところで、冒頭で、
「ブクブク泡が出る飲みモノが苦手だ」と述べた。
『では、アンタ、ビールはどうなってんだ?』
と問われると・・
なぜか、ビールは、大丈夫なのである。
どうやら、ビールは泡は泡でも、炭酸とは違う成分のようで、
なあ~んともない。
ないどころか、すこぶる良い。
良いどころか、身体に合っている。
「都合のいい野郎だな」などと怒らないで頂きたい。