
昨日、サップで与論島を一周した話をした。
翌日、身体全体がこわばっている状態になった。
では、どこの筋肉が使われたのだろうか?
サップとは、スタンドアップボードの略である。
スタンドと云うからには、立って漕ぐ。
座ったまま漕ぐことも出来るが、私の場合、
95%を立って漕いだ。
ボードには、様々な波があたる。
いっときもじっとしていない乗り物だ。
ユラユラふらふら、その揺れを、二本の足の裏で感知し、
身体全体の筋肉でバランスをとっている。
この筋肉は、ごつい筋肉を必要としない。
身体の奥にひそんでいる細くしなやかな筋肉。
いわゆる・・《インナーマッスル》
7時間以上にわたって、インナーマッスルだけを使って、
海の上を進んでいる。
ゆえに帰還後、目に見える筋肉痛はないものの、
非常にはげしい疲労感に襲われた。
箸の上げ下げがおっくうになった。
ところがである・・・
一緒に一周を成しとげたネーヤン。
ネーヤンとは、バスガイドである。
日々、日本各地をバスに揺られている。
それも立ったままだ。
不安定なバスで、あろうことか、
後ろ向きに立ったまま、喋っている。
まさに、サップに乗った状態によく似ている。
7時間なんて当たり前!
「私、筋肉痛も何もありませ~ん」
こともなげな発言をする。
ロボット歩きの私の横で、軽いステップを刻んでいる。
そうか、バスガイドとは、
インナーマッスルだらけの職業だったのか!

深い群青の海の上で、寝て休むネーヤン