
大相撲を初めて観に行った私である。
客席は二層になっている。
一階席と二階席。
二階席を眺めると、
赤い服を着た客はさほど多くない。
ところが、一階席には、何人もの赤い服が見える。
特に、土俵に近い辺りに10人ほどの赤い服を数える事ができる。
なるほど、その意味を理解できた。
すべてテレビ用だと思える。
あとで、録画しておいた大相撲中継を観る時、
自分がいる場所がはっきりわかる。
もしくは・・
「今日の大相撲中継観てネ。砂被りで赤い服着てるから」
家族友人にささやくのである。
そういう意味では、この作戦は、
《林家ペーパー》的である。
彼らは、赤というより、ショッキングピンクの衣裳しか着ない。
どこに行くのも、すべてのテレビ映りで、あの衣裳のみである。
ピンクの二人がいれば、林家ペーパーだと分かる。
<歩く自分広告塔>だ。
っとなれば、彼らが、
最もその威力を発揮できる場所は、
この大相撲観戦かもしれない。
それも、向こう正面の桟敷席だ。
視聴率の高い番組で、ずっと映っていられる。
こんな恰好の舞台はない。
つまり、
一般の方も、林家ペーパーを見習っているのだ。
っと、その時・・・
向こう正面の桟敷に、二つの赤がある事に気づいた。
目を凝らした。
左側がピンクの帽子をかぶり、右側がパンチパーマ!
そのパンチが、カメラを撮っている。
なんと、
林家ペーパー当人ではないか!
私が初めて行った大相撲で、彼らがいる。
まさか、毎日来ている筈もない。
稀有なケースに当たったのだろうか?
っと、その直後、とても美しい相撲の瞬間を観たのだ。
それは、明日・・・