
「そんな時だった」
小説を読んでいると、このセンテンスが、しばしば登場する。
今日は、その言葉を使ってみたい。
我々は、台湾は台北の夜市を歩いていた。
ここで、まず誤解を解いておきたい。
台湾夜市とは、
台湾屋台ではない!
世のお父さん達は、台湾に行って、台湾夜市の屋台で、
様々な食材を摘まみながら、ビールをあおろうと想像している。
日本の博多屋台をそのまま台湾に当てはめている。
コレが間違いなのだ。
台湾夜市に、酒は無い!
無いどころか、禁止されている。
麦酒(ピジョー)すら無い。
どうしても飲みたくて、こっそり持ち込むと、白い目でみられる。
どういう意味かを、日本に当てはめて例えてみよう。
東京の原宿通りを、缶ビール片手に、
グビグビやりながら歩いていると思えばいい。
『人前で、酒をおおっぴらに呑むのは、恥ずかしい行為』
この当たり前とも云える規律を、台湾の人は教えてくれる。
呑む時は、呑む場所で呑もう。
そんな時だった!
(やっと出てきた、この言葉)
目の前に、ガチョウが吊るされていた。
裸のガチョウが、見事な焼きを入れられ、
香りプンプンで我らを誘っていた。
「ピジョーある?」
『あるヨ』
夜市のはずれにあった店にとび込んだ。
「ガチョウとピジョー下さい」
日本で、ガチョウを食べる機会はない。
出てきたガチョウを我らはむさぼりついた。
がっついた。
旨かった。
あまりの旨さに、声が出なかった。
そんな時だった。
滝田君のガッカリ発言が・・・
あっ紙面が尽きた、それは又明日。