
「みんな、それぞれカップを持っていこう!」
海外を旅行すると、食堂では、グラスが無いことがある。
有っても、紙であったりして、ビールを飲むには、趣がない。
そこで、カップを持参するのである。
私の場合は、キャンプや山で使う銀色のカップだ。
口当たりが良く、ビールによく似合う。
「みんな持ってきたかい?」
台湾で店に入るや、私の声がかかる。
すると、自慢げに滝田くんが、カップを取り出した。
皆の目がテンになる。
「そ・それって、歯を磨くときのカップじゃないの?」
『違うよ』
本人は否定する。
しかし、全員が、ソレは歯磨きカップだと目踏みしている。
ツッシーに至っては、ポケットから歯ブラシを取り出し、
滝田くんのカップに立てた。
冒頭の写真は、そうして撮られた。
誰がどう見ても、歯ブラシカップである。
間違っても、ビールを注ぎたくない。
その一分後、そのカップには、ビールが注がれ、
旨そうに飲む滝田くんがいた。
ふ~ん、価値観の違いとは、こんな現れ方をするものか・・・?