
さあ、スキーへ行こう!
今年のスキーは、山陰は島根で始まった。
広島在住のタメトウさんが連れて行ってくれる。
タメトウさんとは、与論島で、
タメトウカップを開催しているウインドサーファーである。
68才の御年で、お元気なこと極まりない。
そして、もれなくスキーが上手い。
そのスキー場は、3キロほどのダウンヒルが続き、
長いコースが何本もある。
「イシマルさん、休んでくれんのじゃもん」
最下部のリフトの所まで滑り降りたところで、
タメトウさんが息を挙げている。
私も、挙げている。
スキー初心者の私は、スキーの遊び方がよく分かっていない。
これまで、オリンピックや、スキー大会の映像を、
テレビで沢山観てきた。
その映像によると、滑っている人たちは、スタートすると、
コースを最後まで滑りきるのである。
途中で休む人などいる筈もない。
スキーをスキー場で楽しんでいる人たちの映像など見たことがない。
アナタは、見たことがあるだろうか?
それゆえ、スキーとは、一気に滑り降りるものであって、
途中で立ち止まったり、休んだりするものだという認識がなかった。
当然、転べば、偶発的な休憩となるのだろうが、
滅多に転ばない私は、いや、転びたくない私は、
結果的に、休みが取れなかった。
そして、その私についてきてくれているタメトウさんが、
悲鳴を挙げたのである。
「3キロも、休まんのじゃもん」
その後、3日間、私とタメトウさんは、
あまりもの筋肉痛で、操り人形のような歩きとなり、
階段は、
登れるが下れないという困った人になっちまった。

タキシードとドレス姿のボーダー