
もう今年のスキーは終わりだと思っていたら・・・
「寒波到来!」
天気予報が、騒いでいる。
とりもなおさず、滝田くんに連絡し、
夜明け前から高速道路をひた走る。
『リフトがオープンします』
「おはようございます」
例によって、最初のケツを乗っける。
『これが最終リフトとなります』
「ありがとうございました」
始業から終業まで、リフトを乗り尽くす。
この日は、滝田くんが、この荒行にチャレンジさせられた。
ただし、昼ご飯休憩を取ってしまった為、
リフトは60本止まりだった。
(理論的には、84本乗れる)
「さあ、帰るぞ!」
恒例の、すずらんの湯で極冷水につかり、
再び、高速道路で帰路につく。
あわただしい。
いっときもジッとしていないスキーツアーである。
リフトでジッとしているだけで、常に走り回っている。
その勢いをかって、食事も、かきこんでいる。
あわてている。
そんなに慌てて、
いったい何になろうとしているのだろうか?
「あ~あ、今年のスキーも終わったナ」
夕飯のテーブルにヒジをつき、溜息をつく。
っと、テレビが何やら誘っている。
『明日、放射冷却により、マイナス・・・』
目が裏返る。
とりもなおさず、スキー用具の点検をする。
やっと落ち着いたと思ったばかりなのに、
再び、
慌てだした。
「よし、眠るゾ、明日、午前中だけ滑れるゾ!」
かくして《今年最後》は、何度も延長されてゆくのだった。