時々・・・思うことがある。
「私は、ほんとは馬鹿なんじゃないかな?」
昨日の事だった・・
ドラマのロケの昼食。
押し頂いた弁当は、<酢豚弁当>。
箸をパチンと割って、ガツガツと食べ始めた。
(ん・・硬い豚肉だな?)
あえて、弁当を造った方の肩を持てば、
時間が経ちすぎたので、硬くなったとも云える肉塊だ。
昼飯が午後2時やら、3時になってしまう業界だ。
(ええい、このやろ!)
思いっきり豚肉を噛んだ!
噛み切れない肉塊に、顔面をゆがめ、糸切り歯の力を込めた。
グニュッ!
その途端、激しい痛みが走った。
噛むのをやめた。
ぼお~と天井を見上げた。
アゲゲゲェェ~
どうやら、豚肉と思ったのが、実は・・
私の舌だったらしい。
周りにいたスタッフが、おろおろしている。
「イシマルさん、血が血が・・」
呆然としている私の口元から、真っ赤な血が、流れだしている。
まるで、ゾンビ状態だ。
口の中に、ティッシュを突っ込まれる。
血を拭ったあと、鏡で確認すると、
舌の一部分が、人間が太古から受け継いだ糸切り歯によって、
ザックリ抉り取られているではないか!
《舌を噛む》
この行為は、しばしばお目にかかるが、
思いっきり舌を噛む、なんてことが起こるだろうか?
思いっきり噛まなければ、これほどの傷はできない。
いくらなんでも、<自分の舌と豚肉>を勘違いするだろうか?
するだろうか?
かなしい・・
舌の痛さのあまり、まともに食事ができない今、
私は、うなだれている。
「馬鹿なんだろうか?」