昨日、馬鹿イシマルが舌を噛む話をした。
そう云えば、これまで生きてきて、
激しく噛んだ想い出が、二つある。
自慢できない想い出だが、
昨日の事件で、未だ舌が修復されてなく、
食べ物がおいしくない状態なので、あえて喋らせてもらおう。
その一つ・・
時は、20年前。
場所は仙台。
誰もが知る、牛タンのメッカ!
これでもう、語らなくとも、おおかたの想像はついたよネ。
えっ?一応聞いておきたい?
ふむ、そんでは、その顛末を・・・
老舗の牛タン屋のカウンターで、七輪の煙にいぶされている私。
やがて、出てきた肉厚の牛タン。
手の平ほどの厚さがあるだろうか?
そいつを金網の上にのっける。
ジュゥ!と鳴きやがって、タンは、のけぞり始める。
「半ナマのうちに、おあがり下さ~い」
おかみの声に、半ナマを箸でつまみ、口に近づける。
がぶり・・
あれ?あれれ?うまく噛めないナ?
もう一度噛みなおす。
箸でつまんだ肉塊を、口の中で安定させ、
セ~ノ~がぶり
目の前に火が飛びちった。
下あご辺りに、痙攣が走る。
とっさに何が起こったのか、理解できなかった。
自分のタンを牛タンと間違って、思いっきり噛んだのだ。
お店のカウンターが血だらけになったのは、覚えている。
激痛の中、かすかに教えてくれる声は、
「お前はバカだ」と諭している。
自分で自分の頭を殴って気絶するバカがいるように、
自分で自分の脇腹をくすぐって、笑いだすバカがいるように、
このバカは、タン間違いをした。
しかし、あえてこの事件は、噛み間違いとしては、
許される事項にカウントしようではないか。
だって、
舌を舌と間違ったに過ぎないのだから・・・