《フランシーヌ・ズガ》
サッカーワールドカップ女子、カメルーン代表の選手である。
彼女、サッカー選手としては、珍しくメガネをかけている。
珍しくという表現が、間違っているかもしれない。
サッカー選手で、これまで、メガネをかけた人はいただろうか?
以前、日本代表の宮本選手が、顔面打撲して、
マスクのようなモノを装着していた事はあったが、
さすがに、メガネの記憶はない。
野球選手には多い。
ヤクルトの古田はキャッチャーマスクの下にメガネをかけていた。
ピッチャーには、遠藤もいたし、結構いた。
その他のスポーツで、メガネはいるだろうか?
いただろうか?
陸上競技では、マラソンの宗兄弟のメガネは有名だ。
しかし、ズガはサッカー選手である。
ヘッディングを余儀なくされるスポーツである。
顔面に、ボールがぶつかる可能性の多い競技だ。
実際、高校時代、私も顔面にボールを受けた。
しばし、目が見えなくなり、立てなかった。
ズガ選手のメガネは特注品なのだろうが、
あまりにも珍しい。
そこで試合中、ずっと、彼女の様子を追視していたのだ。
その動きから導き出された私なりの結論はこうだ。
どうもあのメガネは、近視用だけではないのではないか?
相手選手の手の指が、目ん玉に入った経験があるのではないか?
それ嫌さの、防御メガネなのではないか・・
「ねぇ、特注で作って」
そう云えば、私の記憶ではその昔、
女子サッカーには特別ルールがあった。
《胸に飛んできたボールは手で受け止めてよい》
急所を守る為、ハンドOKにしていたのだ。
女子サッカー黎明期の、ユニークで微笑ましいルールであった。