
この写真の植物は、《二輪草》にりんそうと呼ぶ。
緑の葉っぱの上に、二つの白き小さい可憐な花を咲かす。
ゆえに二輪草と呼ばれる。
山の中に分け入ると、この二輪草を見つけ、
「わぁ~!」
手に取る人がいる。
ところが!
この写真を見て欲しい。

私が、二輪草のすぐ横で、パシャリと撮ったヤツだ。
そっくりだ。
花さえ咲いていなければ、全く見分けのつかない同じ草だ。
この草の名前は・・・
《トリカブト》
20年ほど前、殺人事件の主役となった植物だ。
フグ並みの猛毒を持っている。
こいつに触った指で舌をペロリとすれば、アナタの命はない。
そんな危険な植物なのに、その横に、そっくりな植物が、
これ見よがしに、花を咲かせている。
二輪草。
確か、東京の板橋区の、区の花じゃなかったっけ?
で、この二つの草の見分け方なのだが・・・
葉っぱの裏を触って、
ザラザラしているのが、二輪草で、
どっちかと云うと、
ツルツルしているのが、トリカブト。
この<どっちかというと>と云うという曖昧な表現を頼りに、
触り続け、ついペロリと舌なめずりをしたとする。
アナタは、二分の一の確率で、サヨナラをする。
そうそう、ついこの間、トリカブトらしきモノを見つけ、
どっちか調べる為に、葉っぱに指を伸ばした。
その指に、傷を発見し、慌てて引っ込めた。
(傷口から、毒が忍び込むかも?)
何事も、小心、小心・・・