
白馬大雪渓は、日本三大雪渓のひとつと呼ばれている。
全長2キロ、高度差600m。
順調に登って、2時間かかる。
「さあ、アイゼンをつけよう!」
雪渓の取り付き地点で、登山靴に鉄の歯(アイゼン)を装着する。
といっても本格的なヤツではなく、軽アイゼンである。
まあ、簡易アイゼンなどとも呼ばれている。
実は、今回の白馬雪渓登りは、グリセードの下見も兼ねていた。
《白馬大雪渓をグリセードで滑って降りられるか?》
グリセードとは、
アイゼンを付けない靴の底と、
一本の棒だけを頼りに、急斜面を滑り降りるワザだ。
40度以上の急斜面でも降りられるので、面白い。
「滝田くん、この斜面、グリセードできるかな?」
『う~ん、無理だネ、緩斜面すぎるヨ』
「ゆるいか・・・」
『走って勢いをつけなきゃ、ダメだろうネ』
まだ一回しかグリセードをしたことがない滝田くんだが、
その一回が、谷川岳で、4キロのロングコースだった。
最大斜度、45度をクリアし、もはや猛者の仲間入りをしている。
『それに、風紋が大きすぎて、コブだらけだヨ』
まるで、雪面が洗濯板だと嘆いている。
もう、いっぱしのグリセードインストラクターだ。
滝田イントラの診断では、
『登山者の歩くコースは、
緩斜面過ぎて、グリセードに向かないナ。
山稜附近の高度のポイントから滑れば、可能性があるヨ。
季節的には、風紋が出来る前の、6月がお勧めだネ』
とのことです。
え~とぉ、あまりお勧めしませんので、よろしく。