
またしても、わが家の窓の網戸に、
玉虫が引っかかっていた。
亡くなって、しばらく経っていたらしく、標本状態だ。
《タマムシ》
玉虫色と言われるほど、虹色に光り輝く昆虫である。
私の子供の頃は、夜になると、光に集まったものだったが、
最近は、滅多に見られなくなった。
「いちども見たことがないヨ」
都会の子供は、見たことがないどころか、
タマムシという名前すら知らない。
だからか・・
丸くダンゴ状になるダンゴムシを見て、玉虫だと、
指差す子供もいる。
『それ違うヨ』
教えたいのだが、本物のタマムシを見せてあげられない。
私だって、3年ぶりの再会だ。
それとて、生きたタマムシではなく、干からびた死骸だ。
つまり、生きたタマムシを見たのは、もう40年以上前になる。
いや、50年になるかもしれない。
もし、アナタが見つけても、採集はやめましょう。
希少生物になりつつあります。