
ロシアの食事は、うまい。
あえて、ロシア料理とは言っていない。
日本で食べるロシア料理とは、ちと異なっている。
レストランで、いわゆる、ピロシキだの、
ボルシチだのといった定番が出てこない。
水餃子は出てくるが、店によってさまざまな味付けになる。

そして、どの店でもうまい。
スープは突出している。

基本的に具だくさんなのだが、味付けが微妙に変化する。
最後にサワークリームを落としている場合が多い。
やや酸味が効いているケースがほとんどだ。
サラダは、やや料理法が劣る気がする。

夏場には、豊富な生野菜があるが、そのほかの季節には、
生野菜が無いセイかもしれない。
ここで、ピロシキが登場する。
ロシアの食べ物をほとんど知らなくても、
ピロシキだけは知っている。
形状も絵に描ける。
大きさだって、手で表せる。
さて、そのピロシキを食べたいのだが、
なかなか見つからない。
「すみません、ピロシキを下さい」
『ウチは、レストランですので、ありません』
「ひぇっ?」
レストランには無いんですと?
って事は、どこにあるの?
ここで、ピロシキを日本の食材に当てはめてみた。
皆が良く知り、しょっちゅう食べ、安いモノ・・・
あの楕円形の形状から推測する。
レストランに無いという事は、買い食いするか?
自宅で作るしかない。
ん・・買い食い?自宅で作る?
《コロッケ》!
そうだ!コロッケは、レストランには置いてない。
日本食のレストランに入り、カツまでは出てきても、
コロッケは出てこない。
アレは、大衆食堂の定食メニューだ。
理解できた。
ピロシキはコロッケと同等の社会性を有している。
という事は、外を歩きながら、
ウインドーを覗けばいいだろう。
はてその通り!
駅前の小さな店のガラスケースに大量に並べられていた。
「ください」
『あいよ、25ルーブル(40円)』
立ち食った。
パサパサしていた。
買った場所が悪かったとみえる。
もうちょっと街中に踏み込んで買えばよかった。
しかし、やっと手に入れたコロッケである。
いや、ピロシキだ。
いぎたなく押し頂いた。
なんとその後、ピロシキに出会えなかった。
執念深く、ハバロフスク空港でピロシキを探してみた。
「ピロシキありますか?」
ある訳がない。
アナタは成田空港で、コロッケを探しますか?

駅前で買ったピロシキ