
え~と、シベリアの・・
「え~イシマルさん、又、シベリアの話ですクワぁ~?」
なんやと?
クワぁ~やと?
なんなら、一か月間、シベリアの話をしてやろうかい?
話題だけで云えば、もっと喋れるんだデ。
控えめに、控えめに語っている私の身にもなってくれ。
外国ってのは、語ってはいけない事柄が多くてナ、
あんなに面白い習慣なのに、
あんなに面白い人達なのに、
ここでは言えない事ばかりでナ、
語るに語られなくて、どんなに苦しんでいると思っているのだ!
言いたくて言いたくて!
うぅぅ・・・
あっ、コレは言おう。
マンモスの銅像の前にいるこの方たちは、
街道の売り子である。
遠くの物産を売りに来ている人達である。
「どこから来ました?」
『1500キロ離れた所から来たヨ』
「何を売っているんですか?」
『果物だよ』
「売れたら、帰るんですか?」
『1500キロネ』
「往復3000キロは、日本列島往復に匹敵するじゃないですか」
『軽いネ』
「で、売れたんですか?」
『・・・・・・』