
ラグビーのルールを、ひとつ。
《ノックオン》
ボールを自分の前に落としてはいけない。
日本的な言い方をすると、「お手玉はダメよ」となる。
日本のラグビーの試合を観に行くと、ホイッスルの大部分が、
このノックオンの違反であった。
ポロポロポロポロ
いい訳は、色々ある。
「だって、雨が降ってるんだモン」
「だって、回転がむちゃくちゃなボールが来るんだモン」
「だって、僕ら、指短いんだモン」
今、指短いと言ったか?
確かに、
日本人は、手のひらが小さい。
指短い。
片手でボールを掴んでいる諸外国の選手のマネが出来ない。
野球のボールなら落とさないが、ソフトボールは、
掴み損ねて落としてしまう、と云えば、分かり易い。
中には、バスケットボールを片手で掴むような巨漢と、
日本選手は戦っているのだ。
ところが、今回の日本代表は、ノックオンが少ない。
なぜだろう?
彼らは、この4年間、練習の中で、面白い試みをしている。
ボールに滑りやすい物質(油?クリーム?ワセリン?)を塗り、
パスの練習をしていたと伝わる。
ラグビーのルールは、判りにくい。
初めて観る人には、
なぜ、試合が止まってしまったのか理解できない。
しかし、ノックオンだけは、分かる。
「落としたヨ」
テレビを観ている子供らが口にする。
「あっ、又、落とした!」
指差している。
「アレッ、あの人、落としたのに、笛ならないヨ」
『今のは、後ろ向けに落としたからセーフ!』
審判は、ノックオンを見つけると、
片手を直角に曲げ、そのヒジを、反対の手で触る。
コレが、ノックオンの表現。
それを踏まえて、アナタに警告しておきたい。
アナタが寿司屋のカウンターで寿司を頬張っているとする。
ポロポロこぼしたとする。
もし、カウンター向こうの板さんが、ヒジに手をやったら、
彼は、間違いなく、元ラガーメンの寿司職人だ。
彼は、たしなめているのである。
(前にこぼすんじゃない!)

ロシアのベンチは高くて、日本人の短い足が浮いている