「う~む、私の腕は短ぃ・・」
ある日ふと、気づいた。
腕の付け根から、指先までの距離が、
イシマルの場合、短いのではないか?
すぐに検証した。
胸の前に、1m定規をあて、腕を伸ばす。
指の先端で、定規を挟み、その長さを計測する。
「ねぇ、みんな、やってみようヨ!」
ウインドサーフィン仲間の胸に、定規をあてる。
計測結果が出た。
大勢の平均値が、私の数値を、
大幅に上回っているではないか!
「み・みんな、こんなに腕が長いんだ?」
すると、驚きの返歌がくる。
「イ・イシマルの腕は、こんなに短いんだ?」
そういえば・・・
私は、腕立て伏せが得意だ。
テレビ番組の《スポーツNO1》では、
3分間で、200回を数えた事もあった。
そういえば・・・
私は、懸垂が得意だ。
スポーツ番組の《ウンテイ》では、
懸垂走行で、60mを超えた事もあった。
これって、考えてみれば、腕の長さが関わっている。
地面に近づけようが(腕立て伏せ)、
地面から離そうが(懸垂)、
距離が近い方が有利に決まっている。
腕が短い=往復距離が短い
ところが、殆どのスポーツでは、腕が長い方が有利だ。
話をボクシングにしてみよう。
殴りあうボクシングでは、
腕が長いほど有利だというのが定説だ。
バトミントンでも、卓球でも、テニスでも、
腕の長さに比重が置かれている。
よもや、バスケットだのバレーボールだの、水泳だの、
「長ければ長いほど良い」
と言われるスポーツばかりだ。
相撲なんて、マワシに手が届くために、
どんなに苦労している事か!
岩登りの、クライミング競技に至っては、
「あと、1センチで次のホールドに届いたのにぃ!」
そんな嘆きすら聞こえる。
《アレンの法則》というものがある。
温暖な気候で進化した動物は、腕が長く、
寒冷な気候で進化した動物は、腕が短いというものだ。
この法則に当てはめると、
私の祖先は、寒冷地で育っている。
「イシマルさん、腕が短くて良かった事はないんですか?」
はいはい、よく聞いてくれました!
え~とネ、ボクシングのジャブはもの凄く速いネ。
往復距離が短いから。
ま、ボクシングはしないけど・・
え~とネ、荷揚げ作業は、楽だネ。
上げ下げの距離が少ないから。
ま、荷揚げ自体あまりしないけど・・・
え~とネ、顔を洗う時、腕が横に張らないネ。
短い分、角度がつかないんだろネ。
ま、必要ないけど・・・
え~と、え~とネ、
あと、なんだっけかネ・・・・
あっ、カンパイの時、たいがい届かないネ。