
~昨日の続き~
スキー場のリフトは怖い。
いつ落ちるかわからない恐怖にさらされながら、
地上3~8mの空中に浮かんでいる。
「落ちるんじゃないかな!」
私のような気の小さい人の心臓をオモンパカッテ、
バーが付いているリフトもある。
ところが、不思議な事に、
そのバーを体の前に下ろさない人が多い。
リフトの鉄柱には、
《バーを下ろして下さい》
と書いてある。
下ろさないで乗っていて、落下した場合、
『責任は取りませんヨ』的な、張り紙だ。
それでも、下ろさない人が多い。
不思議だ。
そんなリフトに、知らない人と相席する機会がある。
頻繁にある。
友人らとスキーに行っても、
身勝手に一人で滑っている私の場合、
知らない人との相席は、常だ。
さ、座ったゾ。
動いたゾ。
そろそろバーを下ろさなくっちゃ。
アレッ、横に座ったオジサンなのか、若者なのかは、
マスクをしているので分からないが、
全くバーに関心を示さないナ。
ふんだら、勝手に下ろすかナ。
「下ろしますヨォ~」
ガチャンッ
あれ、驚いているゾ。
ちゃんと断ったのにナ。
そしてこの後、もっと恐ろしい仕掛けが待っている。
リフトが到着する小屋に近づくと、
構造上、我らは、地上との距離が離れるのである。
時には、8~10mほどにもなる。
3階建ての屋上ほどだ。
ゆえに、建物の中に入って、安全になってから、
バーを上げるように、張り紙がしてある。
《ここで、バーを上げてください》
ところが・・・
私と同席する方たちは、押しなべてセッカチなのか、
随分手前で、バーを上げるのである。
10m・・いや20mも30mも手前で上げる。
到着小屋の手前で、グングン地上から離れ、
ほんとの恐怖は、ここから始まるという瞬間に、
安全を確保してきた肝心のバーを上げて、
無防備な姿をさらすのだ。
なんで?
ねえねえ、なぜ?
私は人一倍セッカチだと自負している。
その私を差し置いて、お隣さんはバーを上げる。
どういう事?
なんか、早く上げるといい事があるのだろうか?
降りる直前に上げてもいいじゃないか。
たま~に、私同様、最後まで上げないお隣さんがいる。
私は、その方のウエアの色を覚えておくのだ。
次に、あの方と乗り合わせたら嬉しいナ・・・