2月のこの時期、私の元気系は、メカブに照準を合わせている。
健康を、メカブに、おんぶに抱っこしている。
メカブさえ食べていれば、何とかなると高を踏んでいる。
タカを踏まれたメカブが、どこにあるかと言えば、
拘らなければ、町のスーパーにある。
新モノとして、パックで売っている。
拘る人は、海岸にくり出す。
早朝、波打ち際を歩いていると、
メカブが打ち上げられている。
《落穂ひろい》と云う、ミレーの絵画があるネ。
あれに倣って、メカブひろいをする。
そう、メカブは拾うモノなのだ。
漁師さんは、海の中で、きちんとワカメを採って、
その卵であるメカブを採集するが、
素人の私なんぞは、
メカブを拾うのである。
落穂を拾うのである。
その為には、朝早く起きなければならない。
なぜか?
落穂ひろいは、競争が激しい。
海辺に住むお年を召した方は、栄養が欲しい。
元気系が欲しい。
困ったことに、その方たちは、朝が早い。
とんでもなく早い。
朝と云えない時間から、海辺を徘徊している。
メカブを奪取するには、その方たちの隙を付かなければならない。
良いことに、彼らは暗いうちには、夜目が効かない。
そのセイで、打ち上げられたメカブを目視できないらしい。
サッ!
これ幸いと、お宝を手に入れるのである。
落穂ひろいのつもりだったのだが、
いつの間にか、サバンナのハイエナの気分に陥ってしまった。