今夜の宿は、温泉ホテルだ。
部屋に入る。
カバンをほおって、まずは、風呂だ。
すぐに出かける予定なので、自室のシャワーを浴びよう。
チャッチャッと服を脱ぎ棄て、
最後のパンツをポ~ンとベッドに投げる。
やには、洗面所の横のドアを思いっきりあける。
声まで出した。
ジャ~~ン!
そこには・・・便器が。
え~?風呂ないじゃ~ん。
さっき、案内してくれた従業員の方の言葉を思い出す。
「大展望風呂は、9階にございます」
考えてみれば、昔の温泉旅館は、大風呂があるだけで、
自室に風呂などなかった。
温泉ホテルとて、ないケースがほとんどだった。
ビジネスホテルに泊まる日々が多いと、
つい、風呂は部屋にあると思い込んでしまっていた。
ジャ~~ン!
真っ裸のお馬鹿な人は、顔を真っ赤にしながら、
誰に聞かせるワケでもない言い訳をする。
「だぁ~って、
ホテルって書いてあるからサァ~」
出かけながら、その建物を振り返ったものの、
どこにも
ホテルとは書いてなかった。
<旅荘>という文字はあった。
小さな反省
「今後、
ジャ~~ンってのは、使わない事にしよう」