またまた、明かりのスイッチが見つけられなかった。
ビジネスホテルではなく、それなりの旅館だった。
旅館で、すべての明かりを消すスイッチが、見つからずに、
迷走する私である。
眠る前、飲酒をすませ、程よい酩酊状態で、
明かりを消そうとする。
枕元のスイッチを3つ触るが、まだまだ、明るい。
床から立っているスタンドの類は、そのスタンドの所に歩いていって、
ヒモのようなモノを引っ張らなければ、消えないシステムだ。
入口の辺りがぼんやり明るいのは、何だろう?
ドア廻りをキョロキョロしてみるが、スイッチらしきものが無い。
はは~ん、コレはアレだな!
センサーが私の通過に反応して、明かりを点けている。
コレは、消えるまでほおっておくしかない。
トイレが明るいナ。
スイッチ消したのに・・
ふむ、ドアが開いていると、薄暗い明かりがともる仕掛けだ。
よし、これで全部消したゾ。
布団にもぐりこむ。
ん・・?
カーテンの向こう側がやたら明るい。
歩いていき、カーテンの隙間から外をのぞく。
ひぇ~
地面に置かれた大きなライトが、空に向けて投光している。
光を樹木に当てて、雰囲気を演出しているらしい。
うん、美しい。
縁側に座り、ぼんやりしていれば、美しい。
しかし、私はもう、眠りたいのだ。
暗くするには、どうしたらいい?
縁側から、外まで降りてスイッチを探す。
無い。
私が、酩酊しているから、見つからないのか?
それとも、誰がチャレンジしても見つからないのか?
その辺が、曖昧だ。
どうする?
フロントにお願いするのも、面白くない。
簡単なテストをパスできなかった、と指さされるのもシャクだ。
私は、真っ暗な中で眠るのが好きだ。
とはいえ、多少の明かり程度では、すぐに眠りにおちる。
問題は夜中である。
ふと目が覚めた時、真っ暗な空間が望ましい。
ほとんど何も見えない状態で、半醒していると、
様々なアイデアが湧いてくる。
そこに、少しでも明かりがあると、
半醒が、覚醒に移行してしまう。
それが、悔しい。
さて、そろそろ、フロントに電話してみようかなぁ~