ドラマのロケに行く。
朝、昼、夜、夜食と弁当が出る。
大きく分けて、魚系と肉系の二種類が用意される。
マネージャーが、私の分と自分の分を、控室に運んでくる。
私の弁当は、基本が魚系だ。
カロリーを考えて、ささやかだが、魚を選んでいる。
横で、箸を割っているマネージャーの弁当を覗き込む。
肉系だ。
<焼肉弁当>などと、書いてある。
彼は、私より年上である。
いつ見ても、肉系を選んでいる。
トンカツ弁当があれば、迷わず、手に取っている。
フライ、メンチカツ、酢豚、などなど、
肉っこい食材が好みなのだ。
決して太っていない。
スリムな体系をしている。
体積で言えば、私の3分の2ほどの大きさだ。
昔サッカー小僧だったとかで、常に小走りで走り回っている。
彼が、座っている姿など、飯時以外に見た事がない。
今、食べているのは夕食だが、
昼飯は、ケータリングだった。
弁当ではなく、出張サービスのカレーが振る舞われた。
私は、ご飯半分にし、カレールーをかけて、チビチビやっている。
するとその横に、マネージャーのトレイが置かれた。
カレーライスの上に、大ぶりのコロッケが乗っている。
別皿には、メンチカツまでしっかりゲットしている。
(たぶん、イシマルの分という言い訳だろう)
サラダは忘れたのか、取らなかったのか、
デザートのパフェを置くスペースを優先させたのか?
まるで、若者の体育会系の食事である。
はたから眺めると、
肉食系のマネージャーの横で、草食系の役者が、
チマチマとスプーンを動かしている寂しい風景となる。
役割、入れ替わろうかな?