
驚いた!
先日泊まった旅館での事だ。
日本中のホテルや旅館で、明かりのスイッチに悩んでいる私だ。
かなりの場所で、
「スイッチが見つからない!」
数々の試練に会うあまり、
明かりスイッチに関しては、
プロ並みの感覚を獲得したと自負している私だ。
どこの宿に泊まっても、
すべての明かりが消せるエキスパートに認定して貰いたいと、
申請しようとしていた矢先だった。
とある山梨県の温泉宿だ。
かなり昔からある老舗旅館だ。
個室に案内された。
鍵を渡される。
三階の部屋。
入口の木のドアを外側に引っ張って開ける。
入ったところは、半畳ほどのスリッパ脱ぎ所だ。
ふすまを開けると、8畳間があった。
奥に、川が見渡せる椅子が置かれた外の間。
その横にトイレ。
寅さんが泊まっていた旅館とも言えるし、
川端康成がお泊りになった旅館とも言える。
雰囲気は素晴らしい!
さて、眠る段になった時だった。
8畳間も、外の間も、明かりを消した。
ところが・・・
入口の明かりスイッチが見つからない。
豪華ホテルと違って、
いとも単純な造りをしている部屋である。
何十年も前に建てられた構造に過ぎない。
スイッチ自体は少ない。
コンセントですら、部屋の中に、二つしかない。
ネットなんて繋がる雰囲気がない。
冒頭の写真に写っているのが、入口なのだが、
四角い空間があるだけで、壁にもどこにも何もない。
写真の左端にあるスイッチは、8畳間のスイッチであり、
入口の明かりは消えない。
さあ・・・どうする?
ひょっとすると、これは、
明かりスイッチプロへの挑戦状なのだろうか?
眠いまなこを擦りながら、しばらくアグラを組んでいた。
腕も組んでいた。
このまま、明かりスイッチプロとして、一敗地にまみれるのか?
屈辱の内線電話をフロントにかけねばならないのだろうか?
《♪~こんな事すらぁ分からないぃアホがいたぁ~♪》
<屈辱の内線電話>なる流行歌にされてしまうかもしれない。
もう一回、部屋中探し回った。
無かった。
もう限界だ、明日も仕事がある。
プロはく奪を覚悟して、内線電話の受話器をあげた。
ん・・まてよ。
同じ屈辱を味わうなら、電話ではなく、
フロントまで行って思いのたけをぶつけてみよう!
それが、プロとしてのプライドではないか!
受話器をおろし、部屋のドアをあけた。
外に出た。
振り返った。
っと・・・ドアの横に、スイッチがあるではないか!
部屋に入る前にスイッチを入れるんだとサ。
ふ~~~ん