《マテガイ》
別名、○○ポ貝と呼ばれる。
声に出して呼びたくない恥ずかしい名前だ。
テレビでは、発声できないニックネームを付けられている。
その昔、小学生のけんじろう君は、大分県の臼杵市の干潟にいた。
手には、スコップと塩袋を持っている。
頭に麦わら帽子、腰には網袋。
通常の潮干狩りとは、見た目が違う。
ところが、このスタイルが、マテガイ採りの潮干狩りスタイルなのだ。
潮がすっかり干上がった砂浜に目を凝らしてあるく。
砂に、独特の穴を見つける。
そこをスコップでザックリ斜めに掘る。
すると、斜めに切断された穴が現れる。
この穴に、塩を二掴みほど入れる。
「おっ、潮が満ちてきたのかな~?」
勘違いしたマテガイが、穴から海水を吹きだしながら、あがってくる。
顔をピョンとのぞかせる。
そこを指で、サッとツマミあげるのである。
ズボッ
穴から抜けた長さ5センチほどの二枚貝。
貝の両側がひらいており、そこから身体が伸びたり、縮んだりする。
その形状が、○○ポに似ていると誰かが言ったらしく、
この場で書くにふさわしくないあだ名が付いた。
煮たり焼いたり、蒸したり、何にしても香ばしくおいしい貝だ。
有明海などの干潟でよく捕れる。
工事用スコップに塩袋を持って干潟を歩いている人をみかけたら、
間違いなく、マテガイ捕りである。
今は、許可なく捕ってはならない。
希少な貝になっている。
築地魚河岸でも、数少なかった。
間違っても、魚屋さんの店頭で、○○を発声してはいけません。
吉野家一号店 築地場内