バスルームの栓問題が解決したその直後、
トイレの横に、何かがあるのを見つけた。
コレは何だろう?
子供用のトイレ?
呑み過ぎた人用の○○吐き場?
靴洗い場?
「ああ、それはですネ・・」
翌朝、通訳さんが、教えてくれる。
「足を洗うんですよ。足をネ」
『バスタブで、ではなくて?』
「ええ、男の人は特に、ここぞというデートの前に、洗います」
『ここぞ?』
「チカラが入った時ですネ」
ふ~ん、
《チカラが入るデートでは、イタリアの男は足を洗う》・・と。
なるほど、詳しくは突き詰めないが、
なんとなく分かる気がしないでもない。
まあ、考えてみれば、
手洗いがあるのだから、
足洗いがあってもおかしくはない。
むしろ、イタリア人が日本のホテルに泊まった折、
「ここには、足洗いがないじゃないかヨ!」
まくしたてるかもしれない。
あるはずのモノがない場合には、落胆するだけだが、
ないモノがあった場合は、不思議な感想が漏れるのである。
足洗いには、文化的な小さな感動を覚えたが、
ここで、イタリアの方にも、日本にきて感動してもらおう。
我らには、
尻洗いがあるでヨ。
通訳さんには、こう言ってもらおう。
「日本男児は、ここぞというデートの時、尻洗いを使うんです」