《時差ボケ》
海外旅行につきものが、時差ボケだ。
12時間ほどの時差がある国に、一週間ほど旅をすると、
二度の時差ボケに襲われる。
行きと帰り。
ところが、時差ボケになりにくい職業の人がいる。
私だ。
役者稼業は、時間が不定期である。
早朝5時に出かけたかと思えば、
その早朝の5時に帰宅する場合もあるような職業だ。
昼の12時出勤もあれば、
夜中の12時出勤であくびをしているケースもある。
事務所から渡されたスケジュール表に、
とんでもない数値が書かれている事もある。
《30時入り》
えっ・・それって、明日の朝6時入りじゃないのか?
それに対する答えがすぐに返ってくる。
「6時入りと書けば、イシマルさんは、今日の6時に来るでしょ」
『うん』
「明日なんですよ」
『へっ?』
「間違わない為に、30時と書いてあるんです!」
だそうだ。
そんな生活をしていると、日本に住んでいながら、
日々、時差ぼけ同様の過ごし方をしている。
「ああ~よく眠ったナ、夜中みたいだナ」
夜中と云いながら、今夜の11時に目が覚めたりする。
もちろんこんな生活をしていると、
眠りたくない時間に眠くなったりする。
午後3時頃は特に危険だ。
冒頭で、「時差ボケになりにくい職業の人がいる」と述べた。
間違いだ、こういい換えよう。
《時差ボケしているのに、時差ボケだと気づかない人がいる》
え~と、話がアッチとんだり、コッチとんだりしているのは、
時差ぼけのセイです。
「違うよ、イシマルさん、あんたの場合は、ジーサンボケだヨ」
ヴォルテッラの女性警察署長さんと