《晴れ男》
どこにでもいる能天気男である。
この男がいると晴れると言われている。
晴れた確率が高いから、晴れ男と呼ばれている。
さあ、そこで、こんな人を紹介しよう。
《超晴れ男》
晴れ男、の確率を遥かに超えていると言われている男だ。
そもそも、晴れ男とは、
そのうち雨が降り、いずれその確率が平均していき、
ただの男に成り下がると理論づけられている男だ。
そんな時に、救世主のように登場するのが、《超晴れ男》。
彼が現場に現れれば、ほとんど晴れだと言われている。
殆どとは、8割の確率で、晴れの世界をつくり出す。
「君って、超のつく晴れ男だネ!」
皆が、拍手する。
しかし・・・ここでよくよく考えてみよう。
8割という事は、数学的に考えれば、2割の雨に見舞われている。
そんな時だった・・
超を超える、《
究極の晴れ男》
ここでやっと私が登場する。
信じられないかもしれないが、そんな男がこの世には存在する。
近々の驚くべき話をしよう。
その1;
去年、剱岳に登る撮影があった。
険しき山、劔は、撮影前、二週間雨にみまわれていた。
そこに私が登場した。
雨がやんだ。
やんだ3日間で登攀シーンを撮り終えた。
「イシマルさん、これで、撮影終了です」
宣言した直後、ポツりポツリ降り出した。
ザァーーーー
その2;
沖縄の離島に撮影ロケに行った。
「昨日まで10日間雨続きでサア~梅雨はダメだね」
迎えに来た現地クルーが嘆く。
すると・・・
空港に降り立つなり、雲間に隙間が現れ、太陽が姿を現した。
結局、滞在した3日間、晴れわたる!
ところが、
帰りの飛行場に向かうタクシーはワイパーが動き放しだった。
ザァーーーーー
その3;イタリアロケ
「昨日まで、雨続きで悲惨でした」
ところが、私の出番がまわってきた途端、
天空から一筋の明かりが差し込み、
あっという間に晴れ渡ったのである。
その4;関西ロケ
ザァーーーー
「今日は、雨なので、ロケ中止かもしれません」
ところが、私が現場に着いた途端、
なにもなかったかの様に晴れ渡り、無事ロケは終了したのである。
さらに恐ろしいことに、私が帰った次の日から、豪雨!
ザァーーーーーー
その5;関西ロケ
「昨日まで、雨だったそうだネ」
つぶやきながら、晴れ渡った空を見上げながら撮影が進む。
「カット!」
私のシーンが終わり、しばらくすると、
ザァーーーーー
翌日も
ザァーーーーー
その翌日も、
ザァーーーーー
こういう人を、こう呼ぶのではないですか?
《究極の晴れ男》