マラソンランナーとは、どんな生い立ちなのだろう?
ふと、大分県、臼杵市の小学校の頃を思い出す。
52年前のことだ。
4,5,6年生合同のマラソン大会が行われた。
200人ほどが、ヨ~イドンで校門をとび出し、
市内を駆け、5キロほど廻って帰ってくる。
その中に、後に世界を驚かす、宗茂、宗猛兄弟がいた。
私の一学年上だ。
彼らふたりは、ドンと同時に飛び出すと、すぐに消えた。
ゆえに、彼らの感想でその後を語ってみたい。
彼らはやがて、学校に帰ってくる。
帰ってきたものの、次の生徒が誰も戻ってこない。
仕方ないので、校庭を何周か走り、それでも誰も戻ってこないので、
いったん3階の自分たちの教室に戻り、体操服を着替え、
校庭に降りる。
それでもまだ、誰も戻ってこないので、
二人で、鉄棒の横で、ビー玉遊びをしていたら、
息を切らした3番手が戻ってきた。
よもや、4番5番は、そのはるか後だ。
そして、私に至っては、
彼らほとんどが、教室に引き上げた頃に・・・
ゼイゼイゼイゼイ~
順位を確認する先生すら引き上げたあとに、たどり着いたのである。
恐るべし、宗兄弟。
世界と戦えるマラソンランナーは、幼い頃から、
ずばぬけた能力を持っているようだ。
ビリにこそならなかったものの走り切った私は、
とんでもない人類を目にしても、最後まで頑張る、
という心構えだけ学習したのである。