昨夜、ホテルのバスルームで体を洗っている時に、ふと気づいた。
私は、身体を洗うのが速い。
アカスリで素早く擦るのだが、相当の速さである。
目のくらみそうな速さと言っていい。
速いからと言って、おろそかではない。
見事なまでに、各部綺麗に仕上げている。
そこで、裸電球が頭の上に灯った。
《身体洗い選手権》
どれほど早く、身体を洗えるかを競う大会である。
スッポンポンでは、あまりにもみっともないので、
競泳パンツを履く事にしよう。
タイムを競うのはもちろんだが、
その正確な洗いも追求したい。
そこで、あらかじめ、選手には、全身(首から下)に、
色の付いた特殊塗料を塗る。
貸し与えたアカスリで軽くこすった程度では落ちない塗料にする。
肌が、悪くならない程度の擦り方で落ちる塗料だ。
青い色がいいかな・・
「よ~い、スタート!」
借り切ったスパの洗い場で、選手は、いっせいに手を動かし始める。
ここで、面白くするために、
鏡は見る事ができないようにする。
背中などは、カンで洗うしかない。
やがて、洗い終わったと思った者は、
バスタオルで水気を拭きとり、手を挙げる。
ストップウオッチが止まる。
その後、審査員によって、洗い残しがチェックされる。
全く洗えてない部分などは、10点減点。
ボンヤリ残っている部分は、5点減点。
足の裏など、細かい部分の残りは、3点。
アカスリの泡を綺麗に切ることも対象となる。
「第一回、身体洗い選手権の優勝者を発表します!」
ドロロロロロロ~
「タイム、1分8秒26・・・減点3、
いしまるけんじろうさんで~す!」
パチパチパチパチパチ
「トロフィーと温泉の素<別府の湯>一年分で~す」
パチパチパチ
「どうぞ皆さま、一年間、日々速洗いの精進をされた
イシマル選手に、もう一度暖かい拍手を!」
パチパ
・・・やめよう