「ニンニクが食いたい!」
明日、仕事がないと分かっている夜。
無性にニンニクが食べたくなる。
フライパンに油をたらし、ニンニクをスライスして焼く。
キツネ色になる頃には、えも言われぬ香りに包まれる。
恍惚のひとときだ。
吸い物に、ニンニクの玉をおとし、グラグラと煮る。
出汁がニンニクに染まってゆくのが、待ち遠しい。
待つ間に、黒ニンニクを一塊取り出し、ネチャネチャとなめる。
ここでニンニクを丸まんまアルミホイルに包み、焼く。
丸まんまとは、スーパーで売っている状態を表している。
弱火で30分も焼くと、ホクホクの芋状態ができあがる。
一時間ほおって置くと、トロトロのニンニクペーストが出現する。
このペーストを、フランスパンに塗ったりする。
あまりの旨さに、クラクラする。
ここまでは、火をとおした食べ方だ。
時には、生も食いたくなる。
最も簡単なのが、スライスだ。
カツオの刺身の上に、ワサビ代わりに、ニンニクスライスをのっけ、
ポン酢でいただく。
いちいちうなづく。
刺身の数だけ、感嘆詞が漏れる。
「あ~~うまいぃ~」
ただ問題は、あとでやってくる。
翌明けがた、寝室が、異様な匂いに満ちている。
ホホが、膨らんだ感じがする。
自分でも分かるのだから、これは、まずい。
今日は、人と会うまい・・・
二日酔いならぬ、二日ニンニクだ。
ただし、二日酔いはツライが、
二日ニンニクは、とてもここちよい。
余韻がお寺の鐘の響きのように、あとからあとからやってくる。
ゴ~~~~~~~~ン
ドリアンチョコ?