以前から、どうしていいのか分からない漢字がある。
どう違うのか、判断しきれない言葉だ。
《木材》 もくざい
《材木》 ざいもく
ただひっくり返しただけに見えるこの二つの言葉。
どう違うのだろう?
何となく分かるような気がしないでもない。
「ああ~木材ネ」
「ええ、材木でしょ」
たった二つの漢字が前後逆になっただけだ。
なのに、その意図する意味がさほど変わっていない。
それとも変わっているのだろうか?
決定的な違いがあるのだろうか?
哀しい事に、私の友人に森林組合はいない。
相談する近しい人がいない。
いないあまりに、悶々としている。
しょうがないので、自分なりの解釈をヒネリだそうとする。
「木材はサ、山から切り出した木の集合体なのサ」
『でね、材木はサ、その中の一本を指しているんじゃない?』
う~~ん、そうかなあ~
正解のような、間違っているような~
そうだ、ここはひとつ疑問解明に、
ドラマのセリフに頼ってみよう。
「警部、犯人は、木材伐採業者に違いありません」
『そうか、では、木材運搬に関わる人をあたれ!』
違うドラマでは・・
「警部、犯人は、材木の中に爆弾をしこんでます」
『そうか、材木に詳しい警察官を呼べ!』
思いつくままに、ドラマの会話を書いてみた。
しかし、この会話の中の、木材を材木に代えても、
材木を木材に代えても、なんら違和感はない。
すべからく成立する。
困った・・・
日本語の漢字の中で、
これほど
微妙な判断を迫られる逆転漢字を使った言葉は、
あるだろうか?
しかも、常日頃使っている言葉じゃないか?
私は、宣言します。
身体の調子の良い日は、<木材>と呼びます。
ちょっと悪い日は、<材木>と呼びます。
どっちがどっちでもいいのですが、
こういうわがまま、駄目ですか?
木の欄干