セミ捕り名人、超級編?
そんな編があるのだろうか?
素直な疑問がわく。
実は、あるのだ。
超級では、
あるセミを捕れと厳命しながら、
捕ってはいけないと、カスガイをかけている。
その、
あるセミとは・・・
《ヒグラシ》
ツクツクボウシに似ている。
羽根は透明で、滅多に人目に触れることがない。
鳴き方が秀逸だ。
カナカナカナカナカナカナカナカナ~~
森の奥で響きわたるその音色は、
春ゼミに似ている。
カエルの種類でいえば、カジカにも似ている。
あまりにも美しい音色なので、
日本昔話にも、ヒグラシの登場機会は多い。
このヒグラシを、今回捕ろうと云うのだ。
さて、ヒグラシは、どこにいるのだろう?
奴は、針葉樹林の中にいることが多い・・気がする。
針葉樹林とは、トドマツとか、エドマツとか、
真っ直ぐ立っている樹木だ。
そんな高く太くまっすぐな木に登れるだろうか?
答は・・否である。
枝打ちした樹木には、特殊な器具を使わなければ登れない。
たとえ登れたとしても、ヒグラシの極めて鋭敏なセンサーを
かいくぐる事は至難の業である。
最初からあきらめた方がいい。
たとえ、セミ採り網を使ったとしても、まず届かないし、
その網すら察知され、逃げてゆく。
やめよう・・
さあ、私がなぜこんなに、ヤメロと口を尖らせているのか?
ヒグラシは名前の通り、日暮しである。
7年間、土の中で暮らしてきて、やっと陽の目を見たその日の内に、
死んでしまう運命なのだ。
一日しかない雄雌の逢瀬を邪魔してはならない。
鳴き声、カナカナカナカナ・・が、
「悲しい」と聞こえてならない。
よってアナタは、セミ採り上級者をクリアした勢いをかって、
超級者にチャレンジしてはならない。
えっ、私は超級者かって?
え~とネ、子供のころはそうだった。
今は、反省して、中級者に落ち着いています。
上級者ともなると、セミの方からとまってくれる