
10年ほど前、イギリスのスコットランドの町にいた。
ちいさな運動場の片隅を歩いていると、
砂がまかれた地面の上に、鉄球が数個おいてある。
重さ、2~3キロほどの丸い鉄の玉が、
6~8個、無造作に落ちている。
落ちているというより、何かに興じた名残りのように、
置かれてある。
なんだろうコレは?
ゲームだろうか?
一つ取り上げてみた。
砲丸投げ?
いや、砲丸投げは、ひとつしか投げない。
試しに放り投げてみた。
ドスン。
次に、他の球にぶつけてみた。
ガツン。
うむ、どうやら、ぶつけた方が面白そうだ。
ゲートボール?
にしては、重すぎる。
頭の上にハテナマークを灯したまま、その場を去った。
そして10年、
先日、パラリンピックのボッチャを観ていた。
!
私の記憶が、10年さかのぼったのである。
あの鉄の球は、ボッチャを競った名残りだったのではないか?
競技のボッチャでは、柔らかい革製の球を使っていたが、
原型は、硬い物体をぶつけていたのではないか?
あの時、私はなぜ、誰かを呼び止め、尋ねなかったのだろう?
「ホワット イズ ディス?」

スコットランドの自転車おばあちゃん