
台風が近づくと、毎度のように、悲しいミュースが流れる。
「川を見に行った70代の男性が行方不明です」
なぜ、毎度毎度、このニュースが知らされるのだろう?
先ほど、ニュースのテレビ画面を見ていた。
テロップの文字が浮かぶ。
《川の氾濫》
はんらん?
氾濫の氾の字・・
獣篇にすれば、犯罪の犯だ。
右側のツクリの部分だけを解釈すると、
<何かからはみ出る>と解することが出来る。
で、その後ろの{濫}の漢字は?
サンズイが付いている。
濫用、濫伐、濫獲、濫費、濫発。
みだりに○○する・・という意味だ。
《みだりにはみ出た川の増水を見にいく》
オジサン達は、我慢できないのである。
ルールを破った川が許せないのである。
だから見に行く。
叱る為に、見に行く。
「濫りに、はみ出るんじゃない!」
このオジサンたちは、同じ気持ちで、
濫りにルールを破る若者を叱りに行く。
「濫りに、バカな事するんじゃない!」
叱りに行ったあげく、
若者という暴れ川に流されて亡くなることもある。
悲しい。
どちらの川も濁流に違いないが、
オジサンは、どうしても気になって見に行くのである。
このオジサンをどうか責めないでほしい。
お馬鹿かもしれないが、
皆の町を流れる川が心配でしょうがないのだヨ。
若者が心配でしょうがないのだヨ。

豪雨時に出現する伊豆の旭滝