《トゥランドット》
オペラの曲である。
冬季オリンピックで、荒川静香が、
イナバウアーで一世を風靡した時に流れた曲が、
コレだ。
この曲を先日、目の前で聞いた。
私の耳の5m前で聞かせて貰った。
凄まじかった。
最後の最後に、その凄まじさをぶつけるポイントがくる。
歌い手は、その直前、黙って静かになる。
オーケストラが盛り上がり、ここぞという場面になって、
呼吸を胸いっぱい吸ったオペラ歌手は、
目を見開き、
最後の爆裂する音量を吐き出す。
その瞬間・・・
彼の顔が、一瞬、膨れるのが見れた。
アゴから頬の部分が、大きく膨れた。
あの形態異変は、アレに似ている。
釣りに行くと、《マトウダイ》なる魚が釣れる。
口をとんでもなくバカっとあけて、餌に食らいつくのだ。
魚とは、見た目の三分の一が頭と言っていい。
口に至っては、4分の一の魚が多い。
その中で、マトウダイが口を開いた瞬間は、
魚体の半分が口と言っていい。
アゴが外れてガハガハ笑っている人がいるが、あの状態だ。
そのマトウダイさながらに、オペラ歌手の彼の顔が膨れた。
その瞬間、とんでもない音量が、破裂したのである。
2000人収容する劇場の壁が揺れた。
音の美しさに、少なからぬ涙がこぼれたのである。
涙をこぼしながら、
マトウダイの味に思いを馳せた私がいた。
♪~おいしいんだも~~~~~ん~♪
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