名古屋駅のホームで、以前から気になっていたモノがあった。
《立ち食いきしめん》
さすが名古屋とでも言おうか、立ち食い蕎麦ならぬ、
きしめんである。
ホームの端っこにある。
JRの在来線のホームが数本あるのだが、それぞれにある。
私に見えた範囲だけでも、4本のホームにひとつづつ店がある。
つまり4軒。
駅の立ち食い蕎麦と言っても、どこかのホームに一軒あるだけだ。
それが、名古屋では、それぞれのホームに一軒づつ配置している。
ある意味、几帳面ともいえる。
それくらい需要があるから、店を出しているワケか。
しかも、きしめん。
名古屋がきしめんで有名なのは知っているが、
博多の人が、ラーメンを頻繁に食べるように、
讃岐の人が、うどんを主食のように食べるように、
同列に並べられる食べ方をするのだろうか?
ここは、入らねばならんだろ。
ガラリ
いわゆる立ち食いである。
女性二人が立ち働いている。
天ぷらはその場で揚げてくれるシステムらしい。
自動販売機で、秋のキノコきしめんのボタンを押す。
従業員の方は、蛍光灯の球切れ電話で忙しい。
しばらく待たされ出された器の湯気が、香ばしい。
見た目、平打ちうどんなのだが、
きしめんは恐らく伸ばし麺なのであろう。
つるつるとのど越しが滑らかだ。
なのに腰がある。
ジュルジュルジュル
スープも出汁がきいている。
う~む、前々から気になっていたモノを征服したその瞬間てのは、
味より、行為そのものに満足感があるものだ。
それに、味までついてくるとなると、
かなり嬉しい。
はまりそうだ。
困ったナ。
名古屋ではまだ食べたいものが沢山あるというのに、
駅に着いた途端コレでは、先に進めないではないか。
そうか、帰りに食べるように時間調整をしよう。
よって、名古屋帰りの新幹線は1本、ないし、2本遅くなるっと。