《北風と太陽》
昔話である。
「コートを羽織った旅人のコートをはがそうと、
北風がビュウビュウ寒い風を吹きかけても、脱がなかった。
そこで、太陽が暖かく照らしたら、すぐに脱いだ」
というお話し。
人には、「厳しさよりも、愛情で接しなさい」という逸話だ。
ところが、この逸話は、
ウインドサーファーには当てはまらない。
コートをはおったウインドサーファーがいる。
海岸ベタで、じっと海を眺めている。
ただただ風を待っている。
お陽さまがポカポカ照らしつけても、コートを脱ぎゃしない。
熱々の蕎麦をがっついていても、脱ぎゃしない。
っとその時、北風が、ピューピュー吹き付ける!
ありゃま・・
すぐさま、コートを脱ぎ捨て、海にとびだすのである。
ウインドサーファーは、北風を厳しさとは捉えていない。
むしろ、ポカポカ陽気を歓迎していない。
小春日和に心地よさを感じていない。
《木枯らし》なんて単語に反応したりする。
「♪~北風ピープー吹いているぅ~♪」
童謡はコレばかり歌っている。
「え~寒いのが好きなんですかぁ~?」
いや、好きじゃない。
望むらくは、小春日和で風が吹いてくれればいい。
ポカポカ陽気で、風が吹いてくれれば嬉しい。
ところが、秋から冬の風は、寒ければ吹くのである。
冬将軍が風を連れてくるのである。
嬉しいような悲しいようなスポーツをしているのが、
ウインドサーファーだ。
寒くて辛くないかって?
その質問には、こう答えよう。
「ラグビーは、吹雪だろうが、やるでしょ!」
時速30キロの私(左)のボードに座って遊ぶテクニック