この秋、広島県の庄原(しょうばら)を訪ねた。
帝釈峡(たいしゃくきょう)という渓谷を歩いた。
そこに、雄橋(おんばし)という世にも珍しい自然の橋がある。
コレは・・?
この辺り一帯は、石灰岩でできている。
すると、洞窟が生まれる事になる。
その昔、大きな洞窟(横穴)が、この地にあった。
やがて洞窟は内部から崩落していき、ついに天井にも穴があく。
最後には、全部がなくなってしまい、水の流れる川だけが残る。
ところが、珍しいことに、最後の最後に崩落せずに、残ったのが、
この雄橋と名づけられた橋だ。
いや、いつかは崩落するのだが、その直前を観ているのである。
もっと直前の風景が、実は、お隣りの岡山県にある。
《羅生門》と名づけられたその場所は、崩落の途中が観られる。
これまた、
洞窟の成れの果ての途中経過を見せてくれている。
このようなブリッジは世界的にも珍しい。
もし、この雄橋が落ちてしまえば、
ここに洞窟があった痕跡が無くなるのである。
つまり、石灰岩地帯を流れる川とは、
その昔、洞窟に覆われていたと考えていいかもしれない。
ところで、この
雄橋の岩面に、鬼の顔が見えると、
観光パンフにうたっている。
目を凝らしたのだが、私の目に、鬼は見えなかった。
その代わり、途中の水面下に、龍の頭を発見したのである。
左下を向いている竜の顔