《びと》と付く名詞?
思いつくモノを書いてみた。
《恋人》
《旅人》
《待ち人》
《尋ね人》
この並びは、
歌の歌詞に登場する順番とも言える。
ところで、最後の《尋ね人》。
おたずね者ではない。
あくまで、尋ねている人。
「この人知りませんか?」
「この人、見たことありませんか?」
「この人、いなくなったのですが、知りませんか?」
「山に行くと言って出かけ、帰って来ないんです」
山登りがますます盛んになっている。
高齢者登山は、もはや当たり前の時代になった。
そういうお前もじゃないかと指摘されそうだが、
私なんぞは、まだまだヒヨッコである。
70才、80才の御仁が、リュック姿で、
高山をにこやかに闊歩している。
たった一人の
単独行も多い。
登山届を出していないと、途中で遭難すると、誰も助けられない。
意外や遭難は、高山より低山が多い。
高い山は上部には木々がなく、見晴らしがいいので迷いにくい。
それに対し、低い山は密林の中で道がわからなくなるのである。
「そんなの歩いていれば、どこかに辿りつくでしょう」
この考えは、甘い。
山は、登山道以外は実に歩きにくい。
「お宅の屋根に登ってごらんなさい」
そう言われて、すぐに登れない状態に似ている。
つまり、登れば、屋根から落ちる可能性がおおいにある。
登山道だけが、比較的に安全とされているだけなのだ。
「えっ、あんなピクニックのような山で遭難?」
そんなことすら起きている。
コアな山登りショップの掲示板には、
《たずねびと》が写真付きで貼られている。
「○月○日、○○山で見かけた方はいませんか?」
連絡先が書かれてある。
悲しい尋ね人情報だ。
この場合、山の名前が書かれてあるのでまだいい。
どこの山に行ったのかさえ、わからない人もいる。
毎週毎週、山に行く人で、毎回書置きをしていない人もいる。
本人とて、まさか遭難するとは思っていない。
そうなると家人は、
山に行くと言いおいて、実は、家出をしたのではないかとさえ、
勘ぐってしまう。
これまでの山登りは、偽装だったのかとさえ、疑いはじめる。
(小説だと、このケースはよく使われる)
すべては、登山届を出していない事に因がある。
登山届は、ネットでも出せますよ~~ん。