「今日は、3つ離れた駅から走り出そう」
滝田隊員と遠足ジョギング。
列車に乗って、適当な駅で降り、走り出すのである。
「おっ、アレは何だろう?」
小一時間走っている時だった。
《アーチェリー、射撃》
看板を見つけた。
アーチェリーは分かるが、射撃って何?
鉄砲撃てるの?
日本じゃ無理だよネ。
無理なのは承知で、ふたりはジョギングコースをはずれる。
「すみませ~ん、射撃ってできますか?」
『免許はお持ちですか?』
「いえ」
『ライフルはお持ちですか?』
「いえ」
『では、その自動販売機で1010円払ってください』
「へっ?」
『ビームライフルをお貸しします』
ビームライフルという、レーザービームを的に当てて、
点数を競う競技があるらしい。
ライフルのように実弾が出ないので、
衝撃がなく誰でも楽しめるのだそうだ。
『では、このライフルをお持ちください』
持った・・・重い。
7キロあり、本物のライフルと同じだと言う。
まずは、机の上に腕を乗せた状態で、両手で構える。
お尻は椅子に座っている。
10mほど先に2センチくらいの的がある。
それに、銃眼を合わせて引き金を引く。
っと、簡単に述べたが、構えた途端、的がグラグラ揺れる。
いっときもジッとしていない。
そりゃそうだ・・
非常に小さな的を双眼鏡で狙っているワケで、
焦点が、定まらない。
呼吸を止めても、揺れる。
ええいままよ・・撃った。
バギュ~ン
射撃的な擬音を発してくれる。
手前にある電光掲示板に、
点数と的のどこに当たったかが表示される。
5,2点
滝田くんと変わる。
バギュ~ン
10、2点
あんだと?
最高点が、10,9。
小数点以下は、0,1mmに細分されている。
10m先でそのズレを修正しなければならない。
よし、勝負だ!
10発づつ撃ってその合計を競う。
結果的に、我々は優秀であった。
10点以上を頻繁にたたき出した。
特に、滝田くんに至っては、4連続10点以上など・・
立って撃つやり方にも挑戦した。
こっちは、揺れが相当ひどくなる。
なんせ7キロの銃。
それでも、10点代を出すものだから、
係員の方が、初めての我々を褒めてくれた。
褒められたら、又行くしかない。
よし、またジョギングの途中に寄ろう。
そしてこれからは、『ゴルゴ滝田』と呼んでやろう。
緑は10点以上 赤は最高点