
昨日、クライミング競技で男子が凄いと語った。
しかし、女子がどれほど優れているか!
登場するのは、この方。
《
野口啓代》 のぐち あきよ 27才
ワールドカップは、サッカーやスキーの専門ではない。
クライミングもその歴史は長い。
その中で、野口啓代さんは2009年に、
ワールドカップ女子年間総合世界チャンピオンに輝くや、
10年、14年、15年と4度のチャンピオンになっている。
日本人における、各種スポーツの
ワールドカップ総合優勝の最多記録と言っていい。
日本では、まだまだ認知度が低いが、
世界では、スーパースターなのである。
クライミングが盛んなヨーロッパでは、
おそらく万来の拍手をもって迎えられるだろう。
誰かが気付けば、空港で騒がれると聞いたこともある。
彼女の特徴は、身体の柔軟性と握力だ。
クライマーには、握力がそれほど強くない人が多い。
握力より、ホールド力が要求される。
で、彼女の握力だ。
その昔、王貞治さんの握力が57キロと、何かで読んだ。
大人の女性は、20~30キロとも読んだ。
野口さんに握手状態で、力をこめてもらった。
ギュ~~~
「痛タタタ・・・」
なんと、握力が王さんほどもあると言うではないか。
その腕は細い、一般の女性より細いかもしれない。
指だってむしろ華奢だ。
これはどういう事だろう?
クライミングをやって気付くのだが、
彼らは、体重が重くなってはならない。
筋肉量が目に見えて増えると体重が増える。
よって、筋肉は太くなってはならない。
細いまま強くならなくてはならない。
そんな事が可能なのか?
《筋力》という言葉を使うと、筋肉の力・・と考える。
ところが、彼ら的には、筋=
スジの力なのではないだろうか。
はい、ここで、腕の内側を見て欲しい。
手のひらを顔に向けると、手首のところに、
浮き上がった2本の盛り上がりがヒジに向かって伸びている。
これが、
スジだ。
このスジは、実は鍛えられる。
筋肉のように容易には鍛わらないが、
クライミングをする事によって、
徐々に徐々に、鍛えられてゆく。
彼女が、考えられないほど小さなホールド(石)を手で掴み、
身体を持ち上げていけるのは、
このスジの強靭な力なのだと思う。
そして、野口啓代は、3年後の東京で、
誰もがうらやむ色のメダルを狙っている。