《クライミング》
東京オリンピックの、種目である。
3つの競技がある。
《リード》
《ボルダリング》
《スピード》
最近おお流行りなのが、ボルダリングだ。
一人ででき、想像力豊かなので、若者がとびついている。
それに対し、16年前、私が始めたのは、
《リード》。
リードとは、自然の山に行き、
岸壁を登る時と同じ動きをする競技と言える。
ロープを使い、安全を確保した上で、
高さ15mほどの壁に付けられた、
様々なホールドをクリアしてゆき、
どこまで行けたかの高さを競う競技である。
この競技は、通常、コンペと呼ばれている。
コンペは、次のような手順で行われる。
っと、知ったかぶりな話を始めたが、
実は、その頃、イシマルは、コンペに出場していたのだ。
50才の頃だった。
国体予選などというのもあったかナ・・・
え~と話しは、コンペ(大会)の説明だ。
大会会場には、ホールドが付けられた人工壁がしつらえてある。
選手はそのルートは見られない。
一度に一人しか登れないので、平等にする為に、
全員が壁を見る時間がもうけられる。
<オブザベーション>
6分間、全員が同時に壁の前に集められ、
好き放題~見放題~見られる。
その間に、登るルートの研究をするのである。
登ってはいけない。
6分間・・・しかない。
両手を頭の上にあげ、エアー登りを興じる。
まるで、阿波踊りを踊っている群衆に見えなくもない。
で、はいお終い。
そのまま選手は、裏の方の囲い部屋に連れていかれる。
ここは、<アイソレーション(隔離)ルーム>と呼ばれる。
犬に向かって、「マテ!」
あれに似ている。
その部屋から、一人ひとり連れ出され、
本番会場で、観客の前に立つ。
連れ出されは、始まって、5分後の選手もいれば、
延々待たされ、3時間後の選手もいる。
私は、30分後に呼び出された。
それまでの間、記憶に残っている壁にある石の付き方を、
思い出し、ムーブ(登り方)を模索する。
30分は、長いようで短い。
長い予選のあと、
準決勝(20人)が行われ、
さらに、日が沈んだ頃、決勝(6人)が行われた。
私・・?
私は、予選ギリギリで落ちた。