《一度通った道は忘れない》
私の生き方のテーマである。
私は、一度歩いた・・走った・・車で通った・・
それらの道は忘れない。
覚えている。
二度目以降にその道に来ると、迷う事はない。
「ああ~そこを左に曲がると、橋があってだネ・・」
近々の10年以内であれば、まずまず指摘できる。
この能力は、意外なところで発揮された。
《スキー場》
先日、遠足的なスキー場に足を運んだ。
新潟にあるスキー場。
リフトをいくつもいくつも乗り継ぎ、まるで遠足をするかのように、
山をいくつも越え、遥か遠くまで滑りゆくスキー場だ。
全体地図は、貰ったのだが、おおざっぱで、解りにくい。
共に遠足しているのは、スキー師匠の滝田くんだ。
このゲレンデは知っていると胸を張っている。
この日は、ガスが発生し、しかも、雪が降っていた。
視界は20mほど。
東西南北すら分からない状況で、最初のリフトに乗る。
リフトを乗り継ぎ、滑り、又リフト・・
延々、アッチにコッチにと、五里霧中の中、突き進む。
さあ、そんな時だ。
「西はアッチだな」
つぶやく私に、滝田くんが驚く。
『なんで分かるの?』
「わかる、3本前のリフトの向きは、南西を向いてた」
『お日様も出てないのに?』
やがて最終地点まで行きつき、帰りに・・
「5本前のリフトに行こう、雪面が良かった」
『覚えてんの?』
「傾斜もいい角度だった」
20本ほどのリフト乗り継ぎで、出発点に帰ってくる。
一周しただけで、すべてのコースを覚えてしまった。
なぜ、分かるのだろうか?
たぶん・・
子供の頃、毎年のように、転勤引っ越しをした。
一年に一度、町が変わる。
その度に、すぐその町の地理を覚えなければならない。
狭い町なら、3日で覚えた。
県庁所在地でも一週間で覚えた。
東京は、さすがに一か月かかった。
そして、忘れない。
何かに使えないものかな・・これが能力だとしたら。