
コレ、何だかわかるだろうか?

撮影所の地面に、岩のハリボテ模型が点々と置いてある。
時代劇のセットの横だ。
このヘンテコリンな置き方は、時代劇の美術さんが、
ある計算の元、セッティングしたものである。
この場所が使われるのは、陽が暮れて暗くなってから。
答を云おう。
今、見ているモノは、
《
夜には川になる》のだ。
実は、この場所は、緩い斜面になっている。
斜面たって、ビー玉をおけば、ゆっくりコロコロ転がる程度。
その上流から水を流す。
ジャージャー流す。
そこに逆光ライトを照らす。
するとどうだ・・・
月に照らされた見事な川が出現するのである。
表面に薄く水が流れているだけなのだが、水深などわからない。
普段、夜の川を見ても、水深など分からないと云う原理だ。
見事!見事!
手前に木の橋もつくり、そこで役者がチャンバラをすれば、
立派な江戸の町の立ちまわりシーンとなるのである。
映画やドラマの美術さんは、常に面白い発想で、
我々を驚かせてくれる。
ひょっとすると・・
アナタが観たことのある、夜の川のシーンも、
実は、こうやって撮られたのかもしれない・・・