ツララに意味なく憧れている。
九州で育った私は、ツララをほとんど見た事がなかった。
何年かに一度、真冬に、
10cmほどのツララができているのを見つけると、
嬌声をあげて、皆に知らせたものだった。
その感覚は、何十年経った今でも変わらない。
「おお~ツララだぁ~!」
北国で、大きな長いツララを見つけると、
意味なく嬉しくなる。
富士山を見つけると、もれなく、
「富士山だぁ~」と声に出すものだ。
虹を見つけたら、もれなく、
「虹だぁ~」と顔を明るくさせるものだ。
同じくツララを見つけたら、もれなく、
「ツララだぁ~」
その昔には、ツララが危険なものだと、知らなくて、
下をクグッたお馬鹿でもあった。
先日見つけたのは、長野県蓼科にある、
『ロッジすみや』の玄関を囲っていたツララだ。
下まで、ツララが届いている。
まるで牢屋の鉄格子の様に林立している。
洞窟的に表現すると、
上から垂れたのが、鍾乳石で、
下から伸びたのが、石筍。
その二つが繋がったのが、石柱となる。
つまり、コレは、<
氷柱>である。
ただし、氷柱の場合は、下からは伸びない。
あくまで上から伸びて、
地面に辿り着いた所からどんどん太くなる。
おそらくこのまま放っておけば、
柱同士がくっついて、氷の壁ができると思える。
まだ、そんなモノを見つけた事はない。
見つけたとしたら、私の興奮ボルテージは、
とんでもないことになるだろう。
すみやさんにお願いして、人工的に作って貰おうか?
いやいや、雪も氷も北国にとっては、
やっかいで、困った存在だ。
作ってなどとお願いしたら、叱られるだろう。
「アンタが来て、やりなさい!
ただし、帰りに溶かして帰ってよネ」