俳優にして、雀士である彼にセリフ覚えの真髄をきいた。
彼とは、 《萩原聖人》 はぎわらまさと
雀士(じゃんし)とは、麻雀をする人の意である。
彼の場合、その達人になっている人である。
プロでもないのに、麻雀プロの世界で勝ちまくっている驚くべき人である。
いまや、麻雀は、競技麻雀が盛んになり、
賭け事を越えて、見せる競技になった。
つまり、将棋や囲碁に肩を並べようとしている。
プロたちが、その技を見せるのである。闘いを魅せるのである。
まだ競技としての歴史は浅いものの、ゲームとしては、
世界一の奥深さを持つ麻雀。
いずれ、世界トーナメントが行なわれても不思議でない。
頭を使い、指先を駆使する麻雀は、
高齢者の痴呆防止に役立つと、奨励されている。
その達人であり、役者のまさとが、私と語る・・・
(まさととの古い関係は後日)
「麻雀を終わった後って、頭脳が異常に興奮してますよネ」
『うん、してるな』
「眠れませんよネ」
『酒でも呑まないとな』
「ボクは、そんな時、台本のセリフを覚えるんですネ」
『ほお・・』
「すると、なぜか、もの凄くセリフ覚えがいいんですヨ!」
『身体は疲れているのに?』
「ええ、長いセリフでも、どんどん覚えられる!」
『ひえ~~~なんで?』
「たぶん・・脳みそが異常に活性化しているんでしょうネ」
『麻雀によって?』
「麻雀で」
『将棋じゃダメなの?』
「将棋を12時間とか、24時間とか出来ますか?」
『ムリだなぁ~』
「イシマルさん、昔、麻雀連続48時間とかやったでしょ!」
『若い頃の昔?・・やった、72時間もあったかもしんない』
「その直後、セリフ覚えれば良かったんですヨ!」
『そうか!』
「脳みそが活性化しているんですヨ!」
『・・んでもサ、その頃、セリフ自体があんまりなくてサ』
「へっ?」
『ん~だからぁ~役者として、覚えるセリフ量が少なくてサ』
「・・・・・」
『あいづち・・とか』
「・・・」
『脳の活性化が、さして役に立たないんじゃないか・・と』
「・」
『むつかしいねぇ 人生・・』